溶接ナットの仕組みと便利な使い方とは? | PEM Japan

溶接ナットはクリンチングナットと呼ばれるナットの一種で、一度取付けるとアセンブリと一体化することからこのように呼ばれています。

溶接ナットは、部材の片面にしかアクセスできない場合のファスニングなど、様々なアプリケーションに適した方法です。この記事では、溶接ナットの仕組みと便利な使い方をご紹介します。

目次:

溶接ナットとは? 

溶接ナットは、アセンブリ内の別のコンポーネントに溶接するように設計されたファスナーのタイプです。溶接ナットは、薄い板金用途でシートメタルスクリューの代わりに使用することができます。溶接されると、強力な結合を形成します。

溶接ナットの仕組み 

溶接ナットの取付け方法には、プロジェクション溶接と静電容量式溶接の2種類があります。

溶接ナットは、特定の場所にピン(アシュラー)を設けて製造されており、部品の両側に配置された電極から電流を流すと、このピンが合体します。これはプロジェクション溶接と静電容量式放電溶接のいずれにおいても同様です。

溶接ナットの種類と用途

溶接ナットには、以下のような種類があり、アプリケーションに応じて使い分けられています。

T型溶接ナット

T型溶接ナットは、ネジサイズや材質が豊富で、スペースが限られている用途に適しています。T型溶接ナットは、様々なサイズの電極に対応できるタブで製造されており、その設計により、平坦な表面でのスポット溶接が容易になります。

タブプロジェクション溶接ナット

タブプロジェクション溶接ナットは、厚板や曲面での使用に最適です。突起が1つで、貫通した強固な溶接を実現します。

六角3プロジェクション溶接ナット

六角3プロジェクション溶接ナットは、他の非溶接ナットよりも大きなトルクに耐えることができるため、工業用やヘビーデューティー用途に適しています。このタイプの溶接ナットは、高トルクのアプリケーションのための移動とねじれに対してより大きな抵抗を持っています。

角型プロジェクション溶接ナット

角型プロジェクション溶接ナットは、自動車や農機具の製造に最もよく使われる溶接ナットです。4つの均一な突起があり、正しく座った状態で強度と信頼性の高い溶接ができるようになっています。

このタイプのナットは、さまざまなネジサイズと寸法で利用でき、パイロット式または非パイロット式のいずれかで構成することができます。

ラウンドベース溶接ナット

ラウンドベース溶接ナットには、低炭素鋼とステンレス鋼の2種類があります。自動供給装置と一緒に設置できるため、スペースや方向が制限される用途に適しています。

フランジ溶接ナット

フランジ溶接ナットには、プレス加工品、貫通型フランジ溶接ナット、材料接合溶接ナットなど、いくつかの種類があります。

一般的に、フランジ溶接ナットを使用すると強い接合部を作ることができます。貫通フランジ溶接ナットのを含む複数のタイプは、重い溶接を必要とするアプリケーションに最適ですが、リングプロジェクションや角胴フランジ溶接ナットのようなものは、薄いゲージの金属板溶接に優れています。

溶接ナットの代替品1:ブラインドリベットナット

溶接ナットの代替品として、ブラインドリベットナットは、迅速かつ簡単な取付けを提供します。この型式のナットを取付けるためには機器が必要ですが、一般的に溶接ナットの取り付け機器よりも安価で済みます。

ブラインドリベットナットは溶接ナットと異なり途中穴に固定できるため、材料の両面にアクセスする必要がなく、スペースが限られているアプリケーションに適しています。

またメッキの種類も豊富で、腐食しにくいのが特徴です(溶接ナットは腐食防止のためのプレコート加工がされていないので、溶接後に塗装やメッキを施す必要があります)。

溶接ナットの代替品2:セルフクリンチングファスナー

セルフクリンチングナットには数種類のメッキが施されており、接合部の強度を高めるために熱処理することも可能です。

一般的にセルフクリンチングファスナーはより柔らかい板金に使用されることが多く、様々な強度オプションで最も強いネジ山を提供できるため、板金アプリケーションのホスト材として適しています。

ケース別の最適なファスニング方法

板金の接合にはいくつかのアプローチがありますが、最適なファスニング方法は、様々な要因によって異なります。

最終的には、接合する材料、設置のためのアクセスやスペース、必要な結合の強さ、自由に使える設備や予算など、様々な要因を考慮して最適なファスニング方法を決める必要があります。

他の方法と比較した場合の溶接の利点については、ページ下部にリンクされた記事で紹介しているのでそちらをご参照ください。

PEM®のセルフクリンチングファスナー技術に切り替えよう

下記の記事では、セルフクリンチングファスナー技術の利点や従来の溶接方法との比較し、セルフクリンチングファスナー技術に切り替えを行うべき理由を紹介しています。

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