引張試験 vs. 圧縮試験：その違いとは？
製品試験は、あらゆる分野で使用されるコンポーネントの製造プロセスにおいて必要不可欠な要素です。特に製品の故障がユーザーを危険にさらす可能性があったり、試験が製品の安全性と信頼性を証明する唯一の方法であるアプリケーションの場合は、正しい試験方法を選択することが非常に重要となります。
今回は機械試験を代表する2つの方法、引張試験と圧縮試験を詳しく比較し、その使用例と用途について理解を深めていきます。
- 引張試験とは？
- 圧縮試験とは？
- 圧縮試験法より引張試験法が適しているケース
- PEM®セルフクリンチングファスナーの試験規格：押出し試験と引張試験
- PEMedge®の機械試験サービスを利用するべきなのはどんな人？
- PEMedge®専用試験サービスをご利用ください
引張試験とは？
引張試験は、主に引張荷重をかけたときに、材料が破断したり変形したりするのに必要な力を測定するために使用されます。この試験では、引張強さ、降伏強さ、伸び、弾性率など、部品の重要な機械的特性を決定します。引張試験では、材料に張力をかけ、破断するまで観察します。
引張試験で明らかになった知見は、ボルトやネジなどの締結手段で部品を固定するような、引張ベースの用途で一定レベルの荷重や歪みに耐える必要がある部品や構造物を設計する際に、エンジニアが使用します。
圧縮試験とは？
圧縮試験は、圧縮荷重を受けた材料を変形させたり圧縮したりするのに必要な力を測定します。この試験では、試料を圧縮試験機に入れ、あらかじめ決められた変形量、つまり破断点に達するまで一定の荷重をかけます。
圧縮試験では、圧縮降伏強さ、極限圧縮強さ、弾性率などの重要なパラメータが決定されます。このデータをもとに、橋梁や柱など圧縮用途に使用される部品が、破損や変形することなく必要なレベルの圧力に耐えられるかどうかを確認します。
圧縮試験法より引張試験法が適しているケース
一般的に、引張試験は引張力がかかるアプリケーションにより適しており、圧縮試験は圧力力がかかるアプリケーションにより適していると言えます。
PEM®セルフクリンチングファスナーの試験規格：押出し試験と引張試験
PEM®セルフクリンチングファスナーの材料特性試験において、当社のエンジニアは、押出し試験（圧縮試験の一種）と引張試験という2つの主要な試験方法を採用しています。この2つの方法は密接に関連しており、押出し試験法はセルフクリンチ機能の強さを測定し、引張試験法は締結強さを測定します。
PEM®セルフクリンチファスナーの締結強度は複雑な問題ですが、当社には経験豊富なエンジニアによるグローバルチームがあり、専門的なサポートを提供する体制が整っています。また複数のグローバル拠点で広範な試験機能を提供しており、お客様は各アプリケーションに適した試験方法に関するサポートを受けることができます。
押出し試験のプロセス
引張試験は、材料を壊すのに必要な力を測定することでその材料の強度と延性を決定します。一方、押出し試験は、PEM®製品のセルフクリンチング機能の軸力を測定します。
物理的な試験装置は製品によって異なりますが、押出し試験のプロセスは一般的に同じです。まずは、試験を始める前にセルフクリンチングファスナーをシート材料に取付けます。その後、取付け方向と反対の方向に力を加えます。
比較的低い速度（約6.35mm/分）で、ファスナーがシートから完全に分離するまで操作を続けます。この試験で観測された最大の力が、押出し強度として報告されます。
セルフクリンチングファスナー技術の分野で経験を持つエンジニアなら、この押し出し試験の力対距離プロットから多くの洞察と貴重な情報を得ることができます。
PEMedge®の機械試験サービスを利用するべきなのはどんな人？
PEM®セルフクリンチングファスナーの引張試験や押出し試験などの機械試験は、さまざまな分野で多くのメリットをもたらします。例えば次のような人たちが、試験からメリットを得られます。
- 構造物や部品の設計決定に試験データを利用するエンジニア
- データを使って材料特性に関する知見を得る材料科学者
- 生産・加工プロセスにおける品質管理のために使用する製造業者
また、生産プロセスで定期的にこのようなテストを行うことで、潜在的な問題を早期に発見することが容易になります。このような先見性により、エンジニアはより重大な問題が発生する前に、あらゆる問題を迅速に解決することができます。
引張試験や圧縮試験は、材料が引張荷重や圧縮荷重を受けたときにどのような挙動を示すかについての貴重な知見を提供し、メーカーは製品や部品が品質と安全性に関する要求仕様を満たしていることを確認することができます。
PEMedge®専用試験サービスをご利用ください
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