スポット溶接は、低電圧の電流と加圧の組み合わせにより、板金を接合する一般的な方法です。

しかし、スポット溶接にはいくつかの複雑な問題があり、それを考慮した上で、この方法を選択する必要があります。

この記事では、スポット溶接プロセスの概要を説明し、その仕組みと一般的な適用分野を検討した上で、スポット溶接法のメリットとデメリットを評価します。そして、セルフクリンチファスナーを含む、スポット溶接の有効な代替案を検討します。

• スポット溶接とは？
• スポット溶接の仕組み
• スポット溶接は何に使われるのか
• スポット溶接のメリットとデメリット
• スポット溶接の代替案は何ですか？
• セルフクリンチングファスナーとスポット溶接の比較
• セルフクリンチングファスナー技術について詳しく知る

スポット溶接とは？

スポット溶接とは、抵抗溶接の一種で、板金を加圧しながら電流を流して接合する方法です。

スポット溶接では、2つ以上の金属片を接合するために必要な熱は、印加される電流に対する金属の内部抵抗のために発生します。

スポット溶接の仕組み

スポット溶接では、接合する金属の両側に銅合金の電極を置き、その間に電流を流します。

このとき、電極の圧力で溶けた金属が押し出され、溶接部が形成されます。

スポット溶接は何に使われるのか？

スポット溶接は、自動車や電気自動車（EV）の生産・製造によく使われる接合方法で、1台の車のボディパネルには、通常1,000箇所以上のスポット溶接が施されています。

抵抗スポット溶接は、航空宇宙、鉄道、製造、エレクトロニクス、建設産業でも一般的で、大規模な産業環境では、ほとんどのスポット溶接作業がロボットによって実施されています。

手作業で行う場合、スポット溶接はTIGやMIGの溶接方法と比較して、はるかに少ない労力で複雑な形状を作ることができるため、エンジニアに好まれています。

スポット溶接のメリットとデメリット

他の接合方法と同様に、スポット溶接にもメリットとデメリットがあります。

スポット溶接を使用するメリット

• 迅速かつ効率的
• あらゆる導電性金属に使用が可能
• 丈夫で耐久性のある溶接が可能
• 大量生産のためにプロセスを自動化することが可能
• 比較的簡単
• 人気が高くプロセスを学ぶためのコンテンツがたくさん用意されている

スポット溶接を使用するデメリット

• 金属の両面にアクセスする必要がある
• 使用する電圧が非常に小さい（1～20V）ため、変動があると溶接の品質に影響を与える可能性がある
• スポット溶接は、溶融している金属の化学的および物理的特性に影響を与える可能性があるため、ステンレス鋼、アルミニウムおよび他の金属に使用される場合、耐腐食性を減少させるリスクがある
• 超薄型または超厚型の金属片を接合するのに適した方法ではない
• 非導電性材料の溶接には使用できない
• 熱と圧力をコントロールすることが困難
• 十分なメンテナンスが行われないと、スポット溶接で発生するヒュームはエンジニアにとって有害である可能性がある

スポット溶接の代替案は？

スポット溶接に代わる方法として、接着剤やメカニカルファスナーを使用する方法があります。スポット溶接と同様に、それぞれの方法には利点と欠点があり、その概要は以下のとおりです。

溶接の代替案について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください

セルフクリンチングファスナー vs スポット溶接：概要

スポット溶接はシートメタルの接合によく使われますが、セルフクリンチングファスナーも同様に多くの人に親しまれています。

セルフクリンチングファスナー技術は、設計エンジニアに以下のようないくつかの重要な利点をもたらします。

コスト削減

セルフクリンチングファスナーは、1ステップの金型内取付け工程で済むため、二次加工が不要です。スループットが向上し、最終的なコスト削減につながります。

異種材料を接合する

スポット溶接の決定的な欠点は、接合する両方の金属が導電性である必要があることです。

セルフクリンチングファスナーはこのような問題がなく、一般的なスチール、ハイス、熱間成形鋼、アルミニウム、その他多くの材料に使用することができます。

高い水密性

スポット溶接では水密性を確保することが難しく、水濡れや腐食の原因になります。セルフクリンチングファスナーを使用すれば、アルミニウムやスチールなどのアプリケーションで高い水密性を実現できます。

より強固な接合部を実現

スポット溶接は、金属片を融合させるために多くの熱を発生させるため、この熱効果によって弱点が生じ、部品が熱応力や焼きなましに弱くなることがあります。セルフクリンチングファスナーは、取付けに熱を必要としないため、この課題に対処することができます。

部品のコーティングに影響を与えない

溶接工程では、あらかじめ塗布されたコーティングが焼失するため、部品が腐食する危険性があります。

セルフクリンチングファスナーを使用する場合、コーティングされたファスナーをパネルに取付けることができ、双方の部品のコーティングやKTLを損傷する心配がありません。

セルフクリンチングファスナー技術のメリットについてもっと知る

セルフクリンチングファスナーは、従来のスポット溶接ファスナーに代わる高い汎用性と信頼性を持った技術です。

この技術とPEM®セルフクリンチングファスナーの幅広い製品シリーズについて詳しくご覧ください。